eラーニングシステムを取り入れるメリット・デメリットについて解説!
近年、新人研修や社内教育を効率的に行う目的で、eラーニングを導入する企業は増えています。eラーニングには、インターネット環境とモバイル端末があれば時間や場所を選ばず学習できる、コストを削減できるなどのメリットがある一方で、デメリットもあります。そこでこの記事では、eラーニングシステムのメリットとデメリットを紹介します。
eラーニングシステムとはどのようなもの?
eラーニングとは、インターネットを利用して教育、学習を行うことです。eラーニングのeはelectronic(電子の)を意味しています。モバイル端末を使い、インターネットで配信される教材を受講するのが、eラーニングの基本的な学習形態です。
eラーニングシステムは、コンテンツ(教材)と学習管理システムから構成されています。コンテンツは、文字や図、イラストなどはもちろん、映像やアニメーション、動画などが用いられ、効率的な学習が可能なことが特徴です。
教材の管理、配布や受講者の学習状況の管理には「学習管理システム(LMS / Learning Management System)」が用いられます。近年は、学校や学習塾、資格取得のための講座や、企業での新人研修や社内教育など、幅広い分野で活用されています。
eラーニングシステムを取り入れるメリット
それでは、eラーニングシステムを取り入れるとどんなメリットがあるのでしょうか?
■時間や場所を問わず学習できる
インターネット環境とモバイル端末さえあれば、受講者の好きなタイミングで学習できることが、eラーニング学習の最大のメリットといえるでしょう。まとまった時間が取れなくてもすきま時間を使って受講でき、自分のペースで学習を進められます。
また対面型の学習だと、基本的には一度しか受講できませんが、 eラーニングなら分からなかったところは何度でも受講できます。 管理者側も、受講者を集める会場を確保したり、スケジュールの調整をしたりする必要がなく、手間を省くことができるのです。
■コスト削減につながる
eラーニングを使用すれば、会場を確保したり講師を招待するための費用がかかりません。さらに、教材を印刷する必要もないので、大幅にコストを削減することができます。
受講者側も、会場に足を運ぶ必要がないので交通費や宿泊費などを削減できます。もし教材が新しくなっても、紙の教材では印刷や配布に時間やお金がかかる一方で、 eラーニングだとシステム上で教材を差し替えるだけで済みます。時間や手間をかけずに、大勢の受講者に一気に同じ教材を提供することができるのです。
■教育の質が安定する
eラーニングでは、受講者が同じ教材を使うので教育の質が均一になります。対面型の学習だと、どうしても講師の教え方には違いが生じますし、座る位置や声の聞こえやすさによっては理解度に差が出てしまうことも考えられるでしょう。 eラーニングなら誰がいつどこで受講しようと、講師の質に左右されることがありません。
■受講者情報の管理がしやすい
eラーニングでは学習管理システムにより、オンライン上で受講者の学習進捗や成績などを一元管理できます。紙での管理が不要になるので効率的ですし、あらゆる情報が可視化され、データの分析などが容易になります。受講者がどこまで理解できているか、きちんと受講しているかを把握できるので、必要であれば個別にフォローアップすることも可能です。
eラーニングシステムを取り入れるデメリット
反対に、eラーニングにはデメリットもあります。
■モチベーションの維持が難しい
受講者のペースで学習を進められるのがメリットな反面、やるかやらないかが個人のモチベーションに左右されてしまう可能性があります 。受講者の主体性が求められるため、やる気が起きない、忙しいといった理由で学習がまったく進まないということもあるでしょう。
達成度を可視化できるようにしたり、ゲーム的な要素を取り入れたり、受講者のモチベーションを維持するコンテンツを考える必要があるといえます。また、対面での学習に比べて受講者同士のコミュニケーションも減ってしまいます。孤独な学習にならないよう、受講者同士でやりとりができる場や掲示板機能があるとよいでしょう。
■インターネット環境が必須
eラーニング学習には、インターネット環境が必須です。受講者がインターネットを利用できない状況にあるときは、学習ができないということに注意が必要です。事前に教材や動画をダウンロードできるような、オフラインでも受講できるシステムを取り入れるなど、対策が必要になるでしょう。
■実技に不向き
eラーニングは、モバイル端末上の動画やテキストを中心に学習を進めていくので、実技を伴う科目など、学習内容によっては不向きな場合があります。Webカメラなどを使い、リアルタイムにやりとりができるシステムを取り入れたり、事前にeラーニングで学習し、そのあと対面で実技の実践をするといった形をとるなど工夫が必要となるでしょう。
まとめ
今回は、eラーニングを取り入れるメリットとデメリットについて紹介しました。最後に述べたようにeラーニングにはデメリットはありますが、工夫次第で効果的、効率的に学習することができるでしょう。本記事を参考に、自社の仕様に合わせたシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。