eラーニングシステムは集合研修と何が違う?双方の特徴を理解しよう!
近年の急激なIT技術の発展にともない、eラーニングシステムを利用した研修スタイルが一般的になってきました。実際にeラーニングの研修と、対面による従来型の集合研修にはどのような違いがあるのでしょうか。今回は両者のメリットとデメリットを比較しながらご紹介していきます。
eラーニングシステムを選ぶメリット
まず、eラーニングシステムを利用した研修とは、インターネット環境が整っていれば好きなときに好きな場所でスマホやタブレット端末を利用して視聴できるスタイルのものです。通勤時間や隙間時間を有効に使えるという観点から人気があります。
ではそんなeラーニングシステムによる研修のメリットについてご紹介していきます。eラーニングのメリットはなんといっても「気軽に自分のペースで受講できること」です。
先ほど触れたように好きな場所で好きな時間に視聴可能なため、自分の生活スタイルに合わせやすいという特徴があります。研修などの契約内容によっても変わりますが、基本的にさまざまなコンテンツの中からの選択方式になっていることが多いです。
また、最近では工夫を凝らした動画も増えてきており、プロの講師が講義を行い、面白く飽きずに受講できるという内容のものも出ていています。さらに、eラーニングは知識の習得を行う際に非常に力を発揮するツールです。とくにビジネスマナーのように定型的な知識を学ぶのにはとても効率的な手段になります。
eラーニングシステムを選ぶデメリット
一方で、eラーニングシステムにはデメリットもあります。まず1つ目に「学びが受動的になりやすいこと」です。eラーニング形式の研修は基本的に個人で参加するものになっています。
さらにeラーニングの特性上、視聴が基本となります。そのため、受講者のモチベーションが高ければとくに問題ありませんが、モチベーションが低い場合、眠っていて終わってしまうことや集中できず結局聞いていなかったということになりかねません。
つまり、基本的な知識の習得には向いていますが、態度の醸成や繰り返しのトレーニングが必要なスキルの習得など、能動的な姿勢が求められる学習には向いていないといえるでしょう。
続いて2つ目に「カスタマイズできないこと」です。先ほど知識の習得には向いているといいましたが、世の中に広く通用している標準的な知識や、定型的な知識に限られるということをおさえておきましょう。現時点でeラーニングはカスタマイズできるほど揃っているものでもありません。
集合研修を選ぶメリット
一方で集合研修とは、ひとつの会場に参加者が集まってともに学ぶスタイルの研修になります。集合研修のメリットを2つご紹介します。
まず1つ目に「メンバー同士の関係性づくりができること」です。いつもの職場環境とは違った場所で、自分の考えやキャリアビジョンなどを深く語り合うことで、他のメンバーの意外な側面がわかったり絆が深まったりすることがあります。
さらに、集合研修終了後に行われることの多い食事やお酒を楽しむ懇親会も関係性づくりに大きく貢献するイベントです。
続いて2つ目に「万能性」です。集合研修はeラーニングに比べて万能性に優れています。具体的にはグループディスカッションや体やモノを使った演習、ワールドカフェ形式の対話などeラーニングでは困難なものであっても簡単に取り入れることが可能です。
これまでに多種多様な学び方が開発されており、集合研修はそれらを簡単に試すことのできるとても万能的な方法です。
集合研修を選ぶデメリット
一方で集合研修にももちろんデメリットはあります。まず1つ目に「コストや時間がかかること」です。外部の講師への委託費用はもちろんeラーニングであっても発生しますが、そのほか、集合に際して発生する従業員の交通費、宿泊費、会場をおさえる費用などさまざまな場面でコストが発生します。
また、準備や移動にものすごく時間がかかり、「研修よりも移動に時間がかかった」といった話はよく聞きます。さらにこのようなコストや時間がかかることにより、何度も繰り返して集まることが難しく、単発のイベントや研修になりがちです。
続いて2つ目に「家庭の事情などで参加できず取り残されてしまうこと」があります。長時間の研修や宿泊をともなう研修になると、自宅に面倒を見ないといけないお子さんや介護をしないといけない方がいる場合参加が難しくなります。必ずしも全員が参加できるという状態ではないということがデメリットになります。
今回はeラーニング研修と集合研修の違いについて、両者のメリットとデメリットを比較しながら解説しました。近年eラーニングは一般的になりつつありますが、必ずしも集合研修に比べて優れているというわけでもありません。研修を主催する方はなんとなく研修のスタイルを決めるのではなく、今回の内容を参考にして、どちらの研修がより適しているかを判断してから開催するようにしてください!